かさぶたぶたぶ傘ブタ

BUMP OF CHICKENの楽曲で歌詞に物語性のある楽曲と聞かれて、皆さんはどの楽曲を真っ先に思い浮かべるでしょうか。

ガラスのブルース」「K」「Ever lasting lie」「ラフ・メイカー」「ダンデライオン」「車輪の唄」

・・・挙げればキリがなく、おそらくその答えは人によって千差万別となるでしょう。

こと私について言えば、真っ先にこの曲を思い浮かべます。

それが、「かさぶたぶたぶ」です。

かさぶたぶたぶ

かさぶたぶたぶ

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2007年発売のアルバム「orbital period」収録。

先述の楽曲達に比べると、知名度はやや劣るかもしれません。

ですが、本記事ではとにかくこの楽曲を推していきたい。

 

NHKの「みんなのうた」で流れている様子が想像できるような、かわいらしさとちょっぴり遊び心の入った曲調が特徴です。

実際に「みんなのうた」に起用された「魔法の料理~君から君へ~」よりも、こちらの方がみんなのうた要素が強いと感じる方も少なくないかもしれません。

 

歌詞の内容は、友達と喧嘩をした男の子がその時に膝小僧を擦りむいてできた「かさぶたくん」の目線から、その傷が治るまでの過程を描いたもの。 

体育の授業の最中や友達と鬼ごっこをした時にこけたり、あるいは本楽曲の歌詞のように友達と喧嘩をしてその際に転んだり・・・と、何かしらのきっかけで膝小僧を擦りむきかさぶたをつくる経験をするのは、生きていればほとんどの人が、しかも何度もあると答えるのではないでしょうか。*1

この楽曲は、そんな誰しもが必ず経験するであろう「かさぶたをつくる」という出来事をベースにしているという点で、先ほど挙げた楽曲も含めた、数あるBUMP OF CHICKENの物語形式の楽曲の中でも中々ないパターンの楽曲と言うことができると思います。

そんな普遍的なシチュエーションを基に、しかも物語は怪我をした男の子の視点ではなく、その男の子が膝小僧を擦りむいたことによってできた「かさぶたくん」の視点から進んでいく。

作詞をした藤原さんにはこういう着眼点もあるんだと、あらためて驚かされるばかりです。

 

「傷」という言葉が歌詞中では度々出てきます。

この「傷」というのは、歌詞中の男の子がその友達と喧嘩したことによってできた心の傷と、男の子が膝小僧を擦りむいたことによって生まれたかさぶたくん自身の両方を示していると言えるでしょう。

いつか「傷」は治ってかさぶたくん自身も消えてしまうことはわかっているはずなのに

「大丈夫だよ 傷は治るんだ きっと もとどおり」

「だから言ったろ傷は治るよって もとどおりになるって」

「さよならだよ仲良くやれよ僕のことは気にするな」

といった、友達とも仲直りして「傷」も治るよう、あくまで男の子のことを思いやり励ます言葉を贈り続けるところに感動と、かさぶたくんのイケメンっぷりを感じますね。

 

「短い間だと思うけどここは任せとけ」

「ねぇ気付いてる?少しずつ僕が小さくなってる事」

など、いずれはかさぶたくん自身もいなくなってしまうということを示唆する、終わりを予感させるフレーズが度々出てくるところも特徴的で、哀愁を感じます。

 

でも、この一連の語りかけはあくまでかさぶたくんの一方的な心の声であって、その声は一切男の子には届いてはいないというところに、本当はこの物語の一番の切なさがあるのだと思います。

 

ここまで書いていると切なく泣ける要素が強い楽曲のような印象が大きいかもしれませんが、サビの「かさぶたぶたぶかさぶた~♪」というフレーズのちょっぴり気の抜けた合唱*2によってコミカルな面も強調され、良い意味で気軽に聴ける作りになっています。

 

藤原さんのボーカルもこの曲の魅力を成り立たせる上では外せません。

ある部分ではそっと語りかけるように優しく歌い、ある部分では力強く歌い上げる。

かさぶたくんの持つ優しさと明るさが藤原さんの歌によってより引き立てられています。

かさぶたくんに命が与えられているという表現をしても良いのかも知れません。

 

自分のことは二の次で、ひたすらに男の子思いのかさぶたくんでしたが、最後には

「また会える日が待ち遠しいけれど」

「でもたまには転んで転んでもほしいな」

といった、少しばかりの本音をのぞかせる言葉が出てくる。

ずっと男の子のことを第一に考えてきたかさぶたくんだからこそ、このような言葉が聞けるのは少しばかり安堵も覚えますね。

 

◆◆◆◆◆◆

今回は、そんな「かさぶたぶたぶ」という楽曲についてのお話でした。

この曲を聞いて人生観が変わったとか電流が流れるような衝撃を受けたとか、ほとんどの人にとってそういうインパクトがあるタイプの曲ではおそらくないのだけれど、つらい時に背中をさすってくれるような、それでいて最後には肩をポンと叩いて励ましてくれるような、そういう優しさがある曲だと思います。

そんな優しさを持つこの楽曲が、初めてこの曲を聴いた中学生の頃に比べて最近明らかに身に染みるようになったなと感じていて、これが歳をとるということなのだろうか・・・などとたまにふと考える今日この頃です。

*1:ちなみに私もつい最近、最寄り駅の階段を上がっている最中につまづいて膝小僧を擦りむきました

*2:BUMP OF CHICKENの各CDの隠しトラックのような趣も感じます

きっと I get it! 君とまた手をつないだら

私が小学5年生の頃、実況パワフルプロ野球(以下、パワプロ)というゲームにとにかくハマっていました。

最初の方はただ無我夢中で楽しんでいたのですが、やがてそのゲームの中の「サクセス」モードで自分の納得できる能力の選手をなかなか作ることができず苦戦するようになり、ある日よりそのモードの攻略方法についてインターネットで探すこととなりました。

結果として個人運営の攻略サイトがヒットし、最初はそちらで提供されている攻略情報を毎日のように参考にするのみであったのですが、そのサイトにはパワプロのゲーム攻略とは一切無関係の「雑談掲示板」なる掲示板が設置されており、その掲示板が毎日賑わっていることにある日より気づきました。

最初はもうすでにある程度出来上がっている輪の中に入る勇気がなかったことや、住人のほとんどが中高生のため当時の私より年上の方が多く尻込みしてしまうところがあり、しばらくは閲覧専門だったのですが、ある日から「俺も一緒にワチャワチャさせてくれ!!!」という思いが抑えきれず、「はじめまして」のあいさつとともに「最近皆さんがハマっている番組はなんですか?ちなみに僕はアンビリーバボーを毎週楽しみに見ています」と質問をした内容のスレッドを立てました。

もしかしたら無視されるのではないかという恐怖もありましたが、ありがたいことに多くの方々から「はじめまして」の挨拶と好きな番組について書かれたレスポンスをいただくことができました(ちなみに「トリビアの泉」か「伊東家の食卓」という回答が多数でした)。

思えばインターネットで自ら発信をするという経験をしたのはこの時が初めてだったのだと思います。

その時の勇気と緊張と、レスポンスをいただいた時の喜びは、この先になってもずっと忘れないようにしたいものです。

 

以降は積極的に他の方が立てたスレッドに返信をしたり、また、自分でも度々スレッドを立てるようにしていました。

今思えば先述の私の初書き込みにしてもそうですが、どちらかと言えば「雑談」というよりは「一問一答」のような内容が多く、発展性という面で言えば大分乏しいものでした。

ですが、当時リアル小学校生活でクラスメートとの交流に少なからずの苦手意識を抱えていた私としては、多くの人と交流した(少なくともその気になれる)というだけでとても充実した時間でした。

 

書き込み回数が所定の数を超えると、自分のHNが入った自分専用のアイコンを管理人が作ってくれたので、それを目指してとにかく数多く書き込みをしようと頑張っていました。

ノルマの書き込み数を達成し、友沢亮というキャラクター(下画像右)のアイコンをベースにした専用アイコンをいただいた時の喜びは今でもしっかり覚えています。

 

f:id:Metropolitan_Love_Affair:20201115220854p:plain

この画像の友沢くんめちゃくちゃかわいい

「雑談掲示板」だけではなく、パワプロの特にサクセスモードの攻略情報について共有する「攻略掲示板」も設置されていました。*1

攻略掲示板の方では選手の育成理論であったり、投稿者が作った選手のパスワード公開が主といった感じでした。

有益になる情報も多く投稿されていましたが、天才型選手を引き当てかつダイジョーブ博士の手術を2,3回成功させるということを前提とした育成理論が当たり前のように投稿されていたり、プロアクションリプレイを使用しないと作ることはまず不可能であろう能力の選手のパスワードが多く投稿されていたりしたのも振り返れば良い思い出です。

 

やがて自分でもホームページを作りたくなり、HTMLを真面目に学んで個人運営の攻略サイトを立ち上げようとやる気になったこともありますが、私自身のセンスのなさもあり結局挫折し、当時の文明の利器であるホームページビルダーを持っていた管理人に嫉妬したのもきっと青春だったのだと思います。

そして今思えば、現在に至るまでずっと続くプログラミングに対する苦手意識は、この頃に醸成されたものなのかもしれません。

 

私が小学5年だった頃の秋からいたそのサイトですが、最終的には管理人が高校受験に専念するという理由で、私が中学1年だった頃の秋に閉鎖という形となりました。

いきなりの閉鎖ではなく閉鎖日は予告されていたため、閉鎖日が近づくにつれて掲示板では閉鎖を惜しむ声で最後は埋め尽くされていました。

私自身もその惜しむ声を発する人間の一人でした。

その後、管理人は無事に第一志望の高校に合格することができたのでしょうか。

また、その後の掲示板の住人達はどのようになったのでしょうか。

別の攻略サイト掲示板に移動されたのか、それともこれを機に攻略サイト掲示板への投稿自体をやめたのか。*2

結局のところはわかりませんが、彼らが今もどこかで自分の人生を一生懸命生きていてほしいと願っています。

(もしかしたらツイッターのどこかの世界に今いるのかもしれませんね☆)

 

◆◆◆◆◆◆

おわりでーす(三四郎・小宮)

余談ですが、今回の話のパワプロの個人攻略サイト掲示板で特に仲良くなった方で、「ライカ」さんという方がいました。

その方は当時大学生で、就職したら真剣に結婚を考えている恋人がいるということも話されていました。

音楽が本当に好きな方で、BUMP OF CHICKENのアルバムである「FLAME VEIN+1」の隠しトラック「DANNY」の再生方法を教えてくれたり、レミオロメンの屈指の名盤である「ether[エーテル]」をオススメしてくれたのもこの掲示板で仲良くなったライカさんからでした。

あれから15年以上が経過しましたが、ライカさんも今はその当時の恋人と結婚して家庭を築き、人の親になっているのでしょうか。

もしそうであったら、子供を寝かすときの子守唄にBUMP OF CHICKENの「睡眠時間」や、レミオロメンの「海のバラッド」を唄っている夜があってほしいと思います。

*1:ただし雑談掲示板の方が盛り上がりを見せてはいました

*2:私は後者でした

ブライダルショップの店員から街頭アンケートと電話を受けた話

2週間ほど前のことでした。

 

水曜日という週のど真ん中の夜、いつものように仕事で疲れ切った中、最寄り駅に降り帰路についていたところ、一人の女性に

「すみませんお兄さん、今アンケートを行ってまして、5分ぐらいで終わるのでちょっと協力してもらえませんか?」

と声をかけられました。

その女性は20代中盤ぐらいと見られる小柄な方で、正直に言うととてもかわいらしい方でした。

 

この手の街頭アンケートが5分程度で終わることやマルチ商法に似た何かではないかというのは重々承知でいたのですが、元来頼み事を断りきれない性格であることと、先述の通りアンケートのお姉さんがとてもかわいらしい方であったこともあり

「あ、はい、大丈夫ですよ」

とOKの返事をし、アンケートを受けることにしました。

(自分の優柔不断さとルッキズムを自覚させられる形となり少しばかりの自己嫌悪に陥ったのは後の話です)

 

アンケートを受けることになり、まず手始めに

「ありがとうございます~。私たち都内でウェディング関連のアイテムの販売をしてまして、例えばこういう商品の販売を行ってるんですよ~」

どうやらブライダルショップによる勧誘のようでした。

それから、大層高額そうな指輪やネックレスやシャンデリアなどのアイテムが載せられたパンフレットを見せられました。

それらとは無縁の生活を日頃送っている異常独身男性的には、そのパンフレットは太陽の光より直視するのが厳しいものでした。

 

数々のアイテムについて説明があった後(ちなみに「5分で終わる」と言われた際に腕時計を見たときからこの時点ですでに15分を回っていました)、アンケート用紙が渡され

・理想の結婚生活像は

・何歳で結婚したいか

・どういうシチュエーションでプロポーズしたいか

・披露宴にはいくらかけたいか

などの項目に記入することとなりました。

先ほどのパンフレットと同様に太陽の光を直視するより厳しい気持ちになりながら記入を行っていったのは言うまでもありません。

 

ちなみに最後に名前と電話番号を書く欄があり、名前は偽名を書いたものの、電話番号については正直に書いてしまっている自分がそこにいました。

適当な電話番号を書いてその本当の持ち主に電話がかかってきたらどうしよう・・・というある種の生真面目さが働いた結果でしたが、今思うとそのようなオーラを出しているところに付け込まれて声をかけられたのかもしれません。

 

 

記入したアンケート用紙をアンケートのお姉さんに渡した後

「ありがとうございます~。ちなみに年齢はおいくつなんですか?」

と聞かれたので正直に答えたところ

「へぇー、○○歳なんですね~。全然お若いですねー」

と言われたので

「まぁまだ20代後半なんで。20代後半は普通に""男の子""の年齢ですからね」

と真顔かつ真剣なトーンで答えたら2秒ほどの間が空き

「・・・はは・・・そうですね。今日はありがとうございました。いやー、今日はお話できて本当によかったです」

との言葉を少し引いた表情でいただき、そこでアンケートが終了しました。

 

20代後半は男の子の年齢だと本気で思っている私としては非常に不本意な反応でしたが、とにかくこのアンケートが終わりほっとしている自分がそこにいました。

 

 

 

それから1週間、特に音沙汰はなく時間は進んでいました。

先述の最後の会話で、(非常に不本意ではあるものの)ヤバい人間と思われた感触はあったので、もう二度と相手にしたくないと判断されそこで終了したのだろうと思っていたところでした。

しかしそう考えていた矢先に、見覚えのない電話番号からの着信が。

99%あの街頭アンケートのお姉さんからの電話で、ブライダル関連の商品を売るのが目的の電話であるだろうとの確信はありつつも、最近の休日は長らく一人だけの時間を過ごす日々で、仕事関係以外での人との会話したさを慢性的に抱えていたこともあり、iPhoneに表示される緑の電話ボタンを気づいたら押していました。

「もしもし~以前お会いした○○です~。🍟さんの携帯番号で合ってますか?」

やはりあの時のお姉さんでした。

ノルマの数字達成のためなら私のようなヤバいと感じた人間に対しても積極的に売り込みをかけに行かなければならない環境に身を置いているのか・・・と少しばかり哀しみの念を一方的に抱いている自分が確かにそこにいました。

 

それからは

「はい、合ってますよ」

「電話つながってよかった~!以前お会いした○○です~。覚えてますか?」

「あ、はい」

「あの時はありがとうございました~。住んでるのもあの駅の辺りなんですか?」

「えぇ、そうですね」

「そうなんだ~。じゃあ出身地もこの辺り?」

「いや、地元はそこそこ近くっちゃ近くですけど別のところで、何年か前から一人暮らしで今ここ住んでるんですよ」

「あ、そうだったんだ~。実は私も地元はこの辺りじゃなくて愛媛の方で、大学進学したときにやっと上京したんですよ~・・・(中略)・・・ところで🍟さんって休みの日は何してるの?」

と、話はだんだんお互いの個人的なことに移ってきます。

まず最初に住んでいる場所の話題から始まり、それからは時折タメ口も織り交ぜつつ、互いの地元や休みの日の過ごし方などの互いの個人的な話題に移行して相手の警戒心を解かせる・・・きっとこの手の商法のマニュアルとして確立されている技法なのでしょう。

話題一つ一つが終わるたびに

「いや~🍟さん話してて本当に楽しいです~」

こちらを上げるお言葉をいただいていました。

言うまでもなくこれもマニュアル的技法の一つでしょう。

しかし、明らかなサービストークだとはわかっていつつも、お姉さんとの会話を楽しんでいる自分がそこにいました。

世の男性各位がなぜ高い額のお金を払ってキャバクラであったりガールズバーに行きたがるのかこれまではずっと疑問に思っていたのですが、今回その心理が大いにわかった気がします。

 

 

 

電話が始まってから40分ほど経った後

「で、前にも言ったかもしれないんですけど私たち都内の○○でウェディング関係の商品の販売やってまして~。明日お店来てみませんか?」

とのお誘いが。

あちらからしたらいよいよ大勝負を仕掛けにきたところということでしょう。

しかし、いくら会話を通じた後でも、当然ながらウェディング関連の商品自体に興味を持てている自分は全くいませんでした。

「いや、明日はちょっと用事あるんで・・・(大嘘)また今度の機会にしてもらえませんか」

と答えたところ

「え、な~に?ごめんよく聞こえなかった」

と光の速さでアイフォーンのスピーカーから声が届きました。

その声はとてもやわらかでしたが、私自身はその瞬間背筋が凍りついたのは言うまでもありません。

しかし、少しうろたえながらも

「明日は友達と朝から遊びに行く予定あるんで・・・(大嘘)ちょっと厳しいです」

答えると

「じゃあ夜8時とかならどう?なんならお店閉まっちゃうけど夜9時ぐらいでもいいですよ。🍟さんとまた直接お話できたら絶対に楽しいのにな~」

とこちらを上げる発言もしつつ、あちらも引き下がりません。

結婚をファンタジーの世界の出来事と考えている私のような人間に対してでさえもここまでの売り込みをかけなければいけないほど厳しい環境に身を置いているのか・・・と、今回の電話がかかってきた時と同様、少しばかりの哀しみの念を一方的に抱いている自分がそこにいました。

しかし、その後は押し問答がありながらも結局後日にという話で落ち着き

「じゃあまた電話するからね~。そのときにまたよろしくおねがいします~」

と言われ、そこで電話が終了しました。

 

電話が終わった後、良心の呵責に苛まれ葛藤しながらも電話番号を着信拒否し、スマートフォンの画面を閉じました。

そしてスマートフォンを閉じた後、目的は商品を買わせるためとはわかっていつつもそれでも確かに楽しんでいた一時を思い出し、涙を流している自分がそこにいました。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

おわりでーす(三四郎小宮)

ちなみに後に調べたところ、今回受けた手法はデート商法という、「恋愛感情を利用して契約を締結させる商法」とのこと(詳細はWikipedia等に譲ります)。

絵画や壺ならまだしも、今回のようなブライダルアイテムを買わせようとするのは私のようなパートナーもおらず結婚とは無縁の生活を送っている人間にはあまり有効ではないのではないかと今でも思うのですが、それ以上に好意を持った店員さんのために商品を買ってあげたいという感情が勝り利益に結びつく・・・という事例の一定数の実績があるからこそ今回のように私に対しても行われたのでしょうか。

ヒトの恋愛感情を利用したマーケットの恐ろしさ、および人間の業深さの際限なさを考えさせられるばかりです。

芳文社70周年記念セールで買った漫画の感想(その1)

芳文社70周年記念ということで対象商品が1冊77円のセールが7/10から7/16まで開催されました。

nlab.itmedia.co.jp

 

このビッグウェーヴに乗り、私も対象作品をいくらか購入させていただきました。

 

本記事は今回購入した作品群のうち一番最初に読んだ3作品についての感想記事になります。

また、今回のセールで買った漫画の感想記事についてはシリーズ化して投稿したいと思っています。

なので、今回で終わるってことなく続きがこれからもあると思います。うん、きっとね。

 

それでは、以下、綴っていきたいと思います。

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2011年アニメソング10選

こんばんは~

 

 

さて、タイトルの通り今回は2011年のアニメソング10曲についての記事となります。

今更になって2011年?と思われる方も少なくないかもしれません。

しかし、2011年のアニメソングについて、いつかは何かしらの形で振り返りたい、振り返らなければいけないと常々思っておりました。

 

私にとって、2011年といえば東日本大震災が発生した年であり、また、大学入学を果たした年でした。

東日本大震災で日本は大混乱にあり、日々報道されるニュースを見て私も少なからず不安の中にいたこと、また、大学という新たな環境にも適応するのに四苦八苦していました。

特に後者については1年間ずっとそのような状態であったと思います。

そんな中、同年放送されていたアニメーションおよびそれらの主題歌には常に励まされてきました。

特に後者について、音楽といえばほぼアニメソングしか聴かない年であったように思います。

私にとって2011年という年は、文字通りアニメソングと共にあった年でした。

アニメソングのCDを購入したり、レンタルしたりといったことを本格的にするようになったのもこの年からではないかと思います。

だからこそ、この年に聴いたアニメソングというものは、これまでの人生の中でも飛び抜けて思い出深いものになりました。

 

私のTwitterのフォローイング周りを見ていると2020年上半期楽曲10選についてのブログ記事投稿の流れも大分盛んになっているようで、このタイミングで2011年のアニメソング10選の記事を投下するのは逆張りのように思われるかもしれません。

しかし、私自身の特性として一度起きたやる気の持続時間は非常に短く、また、そのやる気が再度復活するには冗談抜きで年単位の時間を要するものと考えられます。

今回、そのやる気の火が奇跡的に点火しました。

なので今しかないと思い、こうしてキーボードを叩いているところです。

 

それでは以下、振り返っていきたいと思います。

 

<目次>

 

 

アリアリ未来☆(高梨奈緒(喜多村英梨),土浦彩葉(井上麻里奈),近藤繭佳(荒浪和沙))

作詞:うらん 作曲:大久保薫 編曲:大久保薫

「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ」ED曲

アリアリ未来☆

アリアリ未来☆

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色々な意味でインパクト大のED映像は一部で反響を呼び、ほぼ動きのないシンプルで作りやすい構成もあってなのか、ニコニコ動画等各種動画サイトにて様々なパロディMADが作られました。

また、「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」の放送当時は東日本大震災が発生した時期でもあり、日本中が大混乱に陥る中、私もあらゆる不安を抱えていた毎日でしたが、だからこそそのような情勢とは真反対の、おバカでちょっぴりエッチな世界観がブレないラブコメディである当アニメには本当に心を救われました。

本楽曲の、キャッチーでノリの良い曲調はつい口ずさみたくなりますね。

この曲を流しながら、サビの「とーびこんだならー」の後に続けて「とーびこんだならー」と追従して歌った瞬間部屋に親が入ってきたあの日も今では良い思い出です。

「恋速移動中」や「LOVE至上主義のモラリティー」といった作詞のうらんさん独特のセンスあふれるワードもとてもツボです。間違いなくこの楽曲の魅力を引き立てている大きな要因の一つだと思います。

これらのワードを日常会話で一度は使ってみたいと常々思っているのですが、残念ながら本日に至るまでその機会は訪れていません。

<余談>

dアニメストアさん、「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」の配信いつまでもお待ちしています(2020年6月28日時点では未配信)

 

SUPER∞STREAM(篠ノ之箒(日笠陽子), セシリア・オルコット(ゆかな), 凰鈴音(下田麻美), シャルル・デュノア(花澤香菜), ラウラ・ボーデヴィッヒ(井上麻里奈))

作詞:こだまさおり 作曲:山口朗彦 編曲:山口朗彦

「IS<インフィニット・ストラトス>」ED曲。

SUPER∞STREAM

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登場キャラクターがひたすら走り続けるのを繰り返すED映像、また、話数を重ね、メインの登場キャラクターが増えるごとにその登場キャラクターがED映像に追加されていくという手法は放送当時ある種話題になりました。

また、この当時は「けいおん!」に影響されて楽器を始めた若者が急増した(本当かどうかは今もよくわかりません)という話がインターネット上に流布していましたが、それよりもIS<インフィニット・ストラトス>のED映像に影響されてランニングを始めた若者の方がその絶対数は多かったのではないかと私自身は今でも信じて疑いません。

Aメロ~Bメロ前半の5人各々のソロパートの後、Bメロ後半で全員パートに入り、サビでエネルギーが一気に開放されるこの構成がとても気持ち良いです。

まさに「カラダ中に流れ出すエナジー」がずっと止まらなくなります。

メインヒロイン5人それぞれの「お互いに認め合ってはいるけど決して譲らない、勝者になるのは絶対に自分」という自信がよく表現された歌詞も非常に素晴らしいです。

「強い風がミカタかどうかなんて関係ない自分次第だわ 行かなくちゃ!」や「次の風を待ってるだけだなんて 悔しくない自分じゃアリエナイ 進まなきゃ!」というフレーズには、人生における自分から能動的にアクションを起こさなければいけない数々のタイミングで数え切れないぐらい勇気をもらいました。きっとこれからもそうなのだと思います。

 

Os-宇宙人(エリオをかまってちゃん)

作詞:の子 作曲:の子 編曲:神聖かまってちゃん

電波女と青春男」OP曲。

Os-宇宙人

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(私の観測範囲の) インターネットの皆様からの思いがとても強い曲という認識で、私が語るのはある種の恐れ多さすら感じている曲でもあります。

歌詞は神聖かまってちゃんのボーカルであるの子の自伝的内容でありながら、「電波女と青春男」のメインヒロインである藤和エリオの内面もしっかり描写されている、リンクしている。奇跡と言ってもいいかもしれません。

その歌詞に加え、妖しげなシンセサウンド大亀あすかさんの特徴的な歌声・舌足らず気味な歌い方。「独特の世界観」とはあらゆる楽曲や創作物を表現する上でよく使われますが、この曲ほどその言葉が相応しい曲も滅多にないでしょう。

 

ところでたまにこの曲が「電波曲」と言われてるのは「『電波女と青春男』の曲」という意味ですよね?

 

 

オリオンをなぞる(UNISON SQUARE GARDEN)

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:UNISON SQUARE GARDEN

TIGER & BUNNY」前期OP曲。

オリオンをなぞる

オリオンをなぞる

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music.apple.com当時邦楽ロック好きの間では徐々に人気が高まりつつあったUNISON SQUARE GARDENですが、その後同バンドがより幅広い層の認知度・人気を獲得するに至った大きなきっかけの一つはこの曲ではないでしょうか。

UNISON SQUARE GARDENとしては初めてキーボードが使われた楽曲で、それが歌詞中にも出てくる「新未来」をどことなく感じさせるサウンド作りに大きな役割を果たしていると思います。

また、Bメロが終わりにワンテンポ置いた後、ドラムを連打してすぐサビに入るこの構成にいつも痺れます。

初めて聞いた時は心臓がひたすらバクバクしっぱなしで本当にたまらず、命の危険も少しばかり本気で感じるほどでした。

歌詞がニコニコ動画弾幕のように流れてくるPVもまた印象的ですが、こちらについては2008年のコラム(http://shinjukuloft.com/blog/top/archives/200810/17-1153.php)にもあるように、かねてから趣味がニコニコ動画であることを公言してきたボーカルの斎藤さんの趣向が反映されているものだと思われます。

youtu.be

 

Morning Arch(河野マリナ)

作詞:こだまさおり 作曲:神前暁 編曲:神前暁

Aチャンネル」OP曲。

Morning Arch

Morning Arch

  • 河野 マリナ
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起きて寝ぼけ眼のボーッとした状態から、顔を洗って歯を磨いて着替えて、そして窓を開けて心地の良い日差しを浴びた後に家を飛び出す・・・というような、朝のルーティーンが凝縮されたような一曲だと思っています。

1番サビ終わりの「お喋りがはじまる」という言い回しがとても好きです。

「お喋り」という日常的な行いに「はじまる」というワードをあえて組み合わせることによって、これから始まる一日への期待や高揚感と言うのでしょうか、そういうものがより増幅されていると感じます。

 

Oh My God♥(戸松遥)

作詞:川瀬智子 作曲:奥田俊作 編曲:奥田俊作

猫神やおよろず」ED曲。

Oh My God

Oh My God

  • 戸松 遥
  • ポップ
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the brilliant greenのお二人から提供楽曲で、川瀬智子さんが作詞を、奥田俊作さんが作曲および編曲を担当されています。

戸松遥さんと言えば天真爛漫で明るいイメージが強く、それまでの楽曲もその色を打ち出したポップチューンが多かったのですが、この楽曲はクールなロックチューン。

戸松遥さんの新たな一面を垣間見た楽曲で当時はかなり衝撃を受けました。

しかしクールすぎではないと言うのでしょうか、戸松遥さんの元来の歌声のかわいさも持ち味としてしっかり発揮されており、良い具合に楽曲との化学反応を起こし合っています。

戸松遥さんのかわいらしさとクールな面の両方が一度に味わえる一曲です。

 

 

面影ワープ(nano.RIPE)

作詞:きみコ 作曲:佐々木淳 編曲:nano.RIPE

花咲くいろは」後期OP曲。

面影ワープ

面影ワープ

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子供の頃の夏休みにあちこちを走り回って遊んだ頃を思い起こさせるような、ノスタルジックな歌詞が非常に印象的です。

サビの疾走感を感じさせながらもどこか涼しく切ない雰囲気は、楽しい夏を過ごしながらもその夏には必ず終わりは来る、そしてその終わりにも駆け抜けていくということが表れたものだと思っています。

OP映像の緒花のように海岸沿いを走りながら聴きたい曲でもあるし、蒸し暑い夏の日に涼しい扇風機の風を浴びてスイカバーを食べながら聴きたい曲でもあります(後者については実際に今やりながら当記事を書いています)。

 

READY!!!(765PRO ALLSTARS)

作詞:yura 作曲:神前暁 編曲:神前暁

THE IDOL M@STER」前期OP曲。

READY!! (M@STER VERSION)

READY!! (M@STER VERSION)

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アニメ「THE IDOL M@STER」の前期が、765 PRO ALLSTARSがアイドルとして売れる前を描いたクールであったこともあり、本楽曲はアイドルとしての一歩を踏み出した765PRO ALLSTARSがナンバーワンでオンリーワンなアイドルグループをこれから目指すドキドキとワクワクが表現された楽曲になっています。

OP映像のライブシーンも本当に素晴らしいですね。

765PRO ALLSTARSのこのライブシーンをアニメ本編でもしっかり見届けたい。そうなるまでの過程を追っていたいし、その後も追っていたい。

視聴者にそう思わせるのに十分すぎるほどの魅力を持った映像であったと思います。

 

Party Love~おっきくなりたい~(RO-KYU-BU!)

作詞:桃井はるこ 作曲:桃井はるこ 編曲:渡辺剛

ロウきゅーぶ!」ED曲。

 

Party Love 〜おっきくなりたい〜

Party Love 〜おっきくなりたい〜

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OP曲である「SHOOT!」が声優ユニットRO-KYU-BU!としての大人の面や、ロウきゅーぶ!という作品の「スポ根」の面が押し出されているのに対して、こちらについてはロウきゅーぶ!のメインキャラクターである慧心学園女子バスケ部5人という女子小学生の女の子のイメージや、ロウきゅーぶ!という作品の「ロリ」の面に重きを置いた、かわいらしくポップで明るい曲になっています。

歌詞はメインヒロインである智花の、主人公昴に対する気持ちを表したものでしょうか。

小学5年生と高校1年生という年齢差から生じるもどかしさとか、自分の身体の小ささ(色んな意味で)のコンプレックスとか、それでいて智花の健気な性格が、バスケ用語も通じてあらゆるところに反映されていてとても素晴らしいです。

冒頭のあの掛け声を初めて聞いた時は「中々すごいものぶっこんできたな」という戸惑いも大きかったのですが、やがてこの掛け声について「めちゃくちゃかわいいな・・・」と思うようになるのにまったく時間はかかりませんでした。

「パリラ パリラ パリラ(フーフー)」というカタカナ表記のパーリィな感じではなくて、歌詞カード通りの「ぱりら ぱりら ぱりら (ふーふー)」というひらがな表記の、とてもかわいらしい感じなんですよね。まさに萌えだよ萌え。

 <余談>

この楽曲を歌う花澤香菜さん・井口裕香さん・日笠陽子さん・日高里菜さん・小倉唯さんの5人で結成された声優ユニットであるRO-KYU-BU!は過去に2枚アルバム「pure Elements」および「Dear friends」を出していますが、どちらも良曲揃いの最高のアルバムです。

聴いたことがない人には是非聴いてほしいです。

※前者についてはSpotyでは配信されているようですがApple Musicではないようです。

 後者については両方で配信。

open.spotify.com

Dear friends

Dear friends

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Unmei♪wa♪Endless!(放課後ティータイム)

作詞:大森祥子 作曲:Tom-H@ck 編曲:Tom-H@ck

映画けいおん!」テーマ曲。

Unmei♪wa♪Endless!

Unmei♪wa♪Endless!

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1期OP曲「Cagayake!GIRLS」や2期前期OP曲「GO! GO! MANIAC」、2期後期OP曲「Utauyo!!MIRACLE」の明るくてキラキラしたロックチューンという流れを汲んでいます。

その中でも、「映画けいおん!」という、アニメ「けいおん!」シリーズ最後の作品のテーマ曲ということで、いわゆる集大成と言うような、それぐらいの強いエネルギーを感じる楽曲です。

それでいて、放課後ティータイム上級生組の高校生活の「終わり」というのでしょうか、Cメロ~ラスサビのあのどこか切ない雰囲気はそれを提示したものだと思います。

ただし、まさに「青春」と呼ぶべき高校生活が終わってもこれからの人生はちゃんと続いていく、そんな強い意志を、最後の「ベートーベンのお手本になれちゃう級じゃ!?ジャン!!」の力強い歌い上げから感じます。

あらためて振り返っても、本当にすごい曲だと思います。

<余談>

今年の1月に立川シネマシティ・ツーにて映画「けいおん!」の極上音響上映があり、私も足を運びました。

極音の分厚いサウンドでこの曲を聞いた時のあの感無量感はこれから先永遠に忘れられないでしょう。

「感情が感情になる」とはこういうことかと初めて理解できた瞬間だったと思います。

 


おわりでーす(三四郎・小宮)

 

楽曲紹介のような文章を書くのは初めてでしたが、いやぁ、実際にやってみるとなかなか難しいですね。

そしてここまでの文字数が約7000文字ということで、ここまでの量の文章を書く体力が自分にあったのかと心の底から本気で驚いています。

新たな自分の発見です。

これからも新たな自分をたくさん発見していきたいですね。

東野幸治の幻ラジオにハマっている話

世界的に猛威を奮っているCOVID-19の影響により、様々な業界が甚大なダメージを受けている中、お笑い業界ももちろんその例外ではなく、むしろその最たる例と言えるでしょう。

日本のお笑い事務所でナンバーワンの規模と言える吉本興業も3月頃から直営劇場やその他主催のイベントを休止しており、現在においては少しずつ活動再開のニュースも出ているものの、通常営業には明らかに程遠いと言えるのが現状です。

そんな中においてメインの活動拠点をYouTubeに移す吉本芸人が急増しており、師匠・大御所クラス以外の芸人のほとんどは自身のチャンネルを所持している状況となっています。

もっとも競争も激化しており、大物クラスの芸人であっても 内容によっぽどの斬新さ・面白さがないと一瞬でも注目を浴びるのは非常に厳しい状況になっていると言えるでしょう。

 

 

そのような群雄割拠の芸人YouTube界において、私が毎回更新を楽しみにしているチャンネルがあります。

お笑いタレント・司会者として芸能界の第一線を走っている東野幸治氏のYouTubeチャンネルです。

https://www.youtube.com/channel/UCSK4Ikp1v5WPe30pTJVe6Zw

 

 

同チャンネルは、東野氏による、音声静止画のみをひたすらにアップし続けるラジオチャンネルです。

所属事務所である吉本興業は一切関与しておらず、プロモーションおよび編集は長女(通称:娘D)に一任し、二人三脚で運営されています。

 

内容としては毎回の話題に沿って東野氏が思いついたことを一人ひたすらに喋り続けるもの。

中々テレビでは見られない淡々としたローテンションな口調で、しかし一切隠す気のない悪意たっぷりに語られるおもしろエピソードの数々についドハマりしてしまいました。

 

一般にお笑い芸人(特に吉本興業所属)のYouTubeチャンネルと言えば、そのチャンネル担当としてスタッフ何人かが入り、凝った企画・編集がなされる動画がほとんどです。

しかし、東野氏のYouTubeチャンネルの動画について言えば、自身の家のリビングで一人淡々と喋って録音した音声を毎回「東野幸治の幻ラジオ」というタイトルロゴが書かれただけの静止画に乗せているだけのもので、非常にシンプルかつ手作り感満載の内容となっています。

突出して売れている芸能人を称して「テレビで見ない日はない」という形容表現が使われることはよくありますが、東野氏もそれに値する売れっ子ぶりでしょう。

そんな東野氏が、先述のような手作り感満載の動画をチャンネル開設当初から一切スタンをを変えず上げ続けているというその事実自体がまず面白いし、一周回ってむしろ新しい。

また、東野氏が誰もいない家のリビングで一人淡々と喋り続けているというその様子一本のみを想像するだけでなんだか幸せな笑いがこみあげてきます。

 

なお、このような手作り感満載のスタンスでやっているのには理由はあり、お笑いコンビ・ダイアンの津田氏にオススメされたアニメ「映像研には手を出すな!」に見事にハマり、同作品内での登場人物達が手作りでアニメを作っていくその物語に感化され、自身も手作り感を押し出してやっていこうという考えに至ったとのこと(第1回:「東野幸治YouTubeを始めたいくつかの理由」より)。

52歳にして最新のアニメに影響され何か新しいことに挑戦するこの行動力は明らかに常人離れしていると言えるでしょう(もちろん良い意味で)。

 

オススメの回を3つ紹介し、本記事は終了としたいと思います。

①【第21回】東野 VS クレーマー


【第21回】東野 VS クレーマー

 

東野氏が毎週日曜日出演しているワイドナショーの感想を東野氏のSNSにダイレクトメッセージにひたすら送り続けるクレーマーとの3ヶ月に渡るやりとりをひたすらに話し続ける回。

東野氏に対するクレーマーの上から目線なダメ出しがメインと見せかけつつ、クレーマーのダイレクトメッセージの中には他のワイドナショー出演者やその他芸能人に対するディスが多々あり、それをそのまま読み上げることで弄り倒すというこっちのほうが実質メインとなっているという、東野幸治の悪意が全面に出ている最高の内容。

クレーマーのダイレクトメッセージの読み上げる時の演技がかった話し方がその面白さをより増幅させています。

クレーマーの上から目線なダメ出しも全く的はずれなわけでないのもまた面白い。

このクレーマーに対して終始低姿勢に接しているその真意が、この口は悪くもやたらにワードセンスに溢れたクレーマーからひたすらに言葉を引き出し後でこのやりとりをネタにしてやるというその一心であろうことに、東野幸治の持っているサイコパス性が良い意味で遺憾なく発揮されていると思います。

 

【第32回】アップデートして行こう

youtu.be

 

各種メディアにおいて年々コンプライアンスが厳しくなってきており、かつてならば大きく取沙汰されることはなかったであろう発言・放送内容においても多数の批判が寄せられ「炎上」が起きるようになりました。

本動画は、そのような時代であるからこそ、これまでの考え方の「アップデート」を行っていく重要性を訴える内容となっています。

もっともコンプライアンス規制の厳格化のこの風潮を手放しに受け入れるわけではなく、東野幸治流に皮肉を交え、しかし確実に笑いに昇華しながら、あくまで「これからの時代を生きていくため」という戦略的なスタンスを崩さないまま一貫して崩しません。

しかし例え表面上であっても考え方・価値観を「アップデート」していくのは中々難しいことではないでしょうか(年齢を重ねていけばいくほど尚更に)。

東野氏が競争の厳しい芸能界を現在に至るまでずっと生き抜くことができているその理由がはっきりわかる回ではないかと思います。

また、東野氏が2020年冬放送というかなり直近のアニメである「映像研には手を出すな!」に影響されて今のYouTubeチャンネルのスタンスでいることと、同氏が常に時代に合わせて考えを「アップデート」できているこの柔軟さは決して無関係だとは思えません。

 

【第18回】『女は全員金目当て』


【第18回】『女は全員金目当て』

この衝撃的なタイトルですが、東野氏の発言ではなく、つい最近次女(通称:手下)が東野氏の枕元に置いた紙に書かれていたものとのこと。

中盤からの、娘Dが手下に中学時代に話した、およそその当時の年齢には見合わない芸能界に対するネガティブで達観した考えについてのエピソードがひたすらに面白い。

毎日のようにテレビで見かけるほどの売れっ子芸能人を父親に持つ家庭にあれば、同世代の子供より芸能界により大きな憧れを抱くパターンの方が多いのではないかという印象がありますが、むしろその逆で、多くの一般人の家庭の子供より芸能界の現実を知る機会が多いからこそ、このような達観した考えに至ったパターンでしょうか。

そういう背景も想像して楽しめる回です。

他にも、東野家の家族にまつわる回は突出して面白いものばかりなので必聴です。

 

 

おわり。